自宅で思う存分曲を編集したいあなたへ届け!宅録&DTMの防音対策

宅録を行えない大きなハードルとして以前は機材が高く、自宅で演奏を録音し、編集することが出来ない時代がありました。
最近は、機材単価も安くなり、プロユースの物も手が届くような値段設定になり、編集用のソフトの開発やパソコンさえあれば難しかった音楽編集も可能になってきました。
また、デモ音源や収録されている音も非常に精度が高い物も発売されており、趣味で音楽編集を行う方や、スタジオを以前なら使用しなければいけないような編集作業も環境さえ整えられれば自宅で行なえる時代になりました。
週末DTMという方も増えてきている中で、なかなか改善することが難しい防音対策について記載をしていきます。

この記事を読んで頂き、音を出すことがストレスになるような環境を改善し、思う存分音楽に取り組める環境づくりを実践して下さい。

1.宅録とは

読んで字の如しで、自宅録音の事を指します。専用のスタジオ等を使わずに、自宅で楽器やボーカル等を演奏する事です。

宅録を行うにあたり、以前は非常に高額な機材が必要でしたが、今は安価でもしっかりとした機材や録音方法が発展した為、わざわざスタジオ等を使用しないでも自宅で録音する方が増えてきています。

また、動画投稿サイトや「歌ってみた」等の企画による盛り上がりもあり、自宅で録音をしてみたいという方が増加したと思われます。

収録した音等をDesk Top Music(デスクトップミュージック)としてパソコンを使用して作成編集を行い、新曲作りや編集加工をして、動画投稿サイトやその他デモ音源等の作成又はCDの音源を作ることも出来ます。

ですが、宅録を行うという事は、自宅で音を出す機会が増える=周囲に音が聞こえてしまうという問題も発生しています。

宅録を行った際に一番悩む「防音」について説明します。

1-1.防音について

防音とは3つの要素から出来ています。

1、遮音
2、防振
3、吸音

上記の3の要素になります。読んで字のままですが、音を防ぐ、音を振動させない、音を吸収して散らす、この要素を複合的に合わせて使う事により、防音が出来るようになります。

遮音…空気中を伝わる音等を遮り、外部へ伝わらなくし、音を跳ね返す事。音を減衰させる事により、隣の部屋や場所に音を伝えないようにするものを指します。
主な材料:コンクリート、石膏ボードや金属板等

防振…振動を止めて隣接するお部屋や階下に、発生した振動を伝えない様にする事。衝撃や振動を吸収して、共振を少なくさせる。楽器等の音が直接設置物を通じて伝わらないようにするためにする物を指します。
主な材料:ゴム製品、弾力性のある素材、バネ、発泡特殊ポリウレタン、ゲル等

吸音…音を吸収して響きを止める、残響をなくし、所謂デットな響きを作る為に必用。音は振動が元になっており、空気振動を材料内部の気泡内部の空気に伝えて減衰させるような物を指します。
主な材料:グラスウール、スポンジ、ウレタン、紙たまごパック等

3つの防音要素について、楽器など音と日常音に分けて説明します。

・打楽器などの楽器音について

ドラムセットや打楽器等は叩いた音が複合的に発生しています。

振動…スティックを振り下ろし、楽器に当たった打音が振動として床や壁に伝わります。
音量…楽器の響く樽や打面の皮が振動し大きな音が出ます。
響き…叩いた音が部屋の中で響き残響等が残ります。

この三つの要素を防音する為に先程説明した「遮音、防振、吸音」が必要になります。
楽器の振動や打音の振動を止める為に、防振の必要性があります。
音量を隣の部屋や周囲に浸透させないように遮音の必要性があります。
響き過ぎてしまい、お部屋で音が反射してしまう状態を吸音により軽減し、音のエネルギーを拡散する必要があります。

・日常的な騒音について

○集合住宅で子供が上階にて飛び跳ねて発生する音

振動…飛び跳ねて着地した際の衝撃
音量…飛び跳ねた衝撃で出る鈍い音
響き…あまり感じない

○隣室からの壁ドン

振動…壁を叩いた事により発生した衝撃
音量…壁を叩いた際に出る鈍い音
響き…あまり感じない

振動や音量は壁を抜けて伝わり、騒音として聞こえてしまいます。
この騒音や楽器の音を防ぐ為には最低でも「遮音、防振」工事を行なう必要があります。
音についてはただ衝撃等が真下や真上等の一定の向きだけに伝わるわけではありません。
そのため、お部屋を一周防音工事する必要が出てきます。
壁や床に振動しない素材や音を防ぐ素材を敷き詰めることは可能ですが、天井にそのような物を設置することは非常に難しいですし、
施工が甘い場合は良い効果も出ませんし、防音素材が上から降ってきてケガや大切な楽器を破損させる可能性があります。

DIY等で防音工事を推奨しているものが多くありますが、音を拡散させて響きをなくすような「吸音素材」をお部屋に張り巡らせるだけ等の物が多くなっています。
「吸音素材」を壁や天井に貼り付けるだけのものは、「防音工事」とは言えない物が多いです。

防音とは先程の要素を複合的に組み合わせて行う事が必要で、例えば音を出す場所を囲い、別の空間として仕切ることで防音となります。
音は振動が元になっていますので、どこか一部(床、壁、天井、窓、ドア)の防音施工が行われていないと、空間を回り込んで音が漏れてしまう可能性があるため先述した対策が必要です。

○理想の防音環境

音を出すお部屋を一周防音施工してしまうか、防音設備が整っているお部屋に住む事が理王の防音環境になります。
防音工事を行なうということは、現在ある床や壁や天井を一度壊し、防音性能がある素材等に入れ替える大規模な物になります。
自作DIYではどうやってもそのような工事は不可能と理解頂けるはずです。このような工事を行なうと防音性能は非常に高くなります。

また、防音設備の整った賃貸住宅等に入居してしまえば、余計な心配をせずに防音環境が整っており、演奏などが自由に行う事が出来ます。
設計施工から防音の事が考えられているお部屋が一番安全に音出し可能であり、理想の防音環境と言えます。下図のように、構造体から防音設計をされているお部屋が一番安心できるお部屋になります。


演奏する部屋の周囲全てが防音の素材で囲われているものが一番の理想形になります。また、マンション等の物件の場合は、音を出せる場所が隣り合わせでも、上記のような構造になって入れば非常に高い防音性が期待できます。

1-2.オススメの防音方法

防音の3つの要素について先程説明しましたが、具体的にどのようなことをすれば良いのかわかりにくいと思いますので、図を用いてオススメ防音方法をまとめます。

①音を出す場所を完全に別空間にする

お部屋の中にお部屋を造ってしまう事が一番防音性能を上げることが出来ます。
※注意点として、壁に押し付けて設置をしない事、空間を開ける事が大切です。空気層という形で防音性能が上がります。

YAMAHA AMDB12H 定型タイプの防音室 セフィーネNS
参照サイト
https://jp.yamaha.com/products/soundproofing/ready-made_rooms/size_08-15/amdb12h/features.html#product-tabs

○お部屋へのオススメ防音室メーカー

・アビテックスシステム防音室(ヤマハ株式会社)
参照サイト(https://jp.yamaha.com/products/soundproofing/ready-made_rooms/index.html)

・防音ルーム ナサール(株式会社カワイ音響システム)
参照サイト(https://www.kawai-os.co.jp/product.aspx)
通常のお部屋の中に音楽専用のお部屋を用意する事が一番時間も手間もかからず防音が可能になります。
先程お伝えしたように、防音は複数の素材を使用しながら全体を施工する必要があります。
音を出す場所(防音ルーム)がしっかりと密閉されており、床から天井まですべてが防音素材で作られているお部屋は一番防音性能が高くなることがお分かり頂けるかと思います。
外からの音も入りにくく、中からの音は外に漏れにくい。音の収録場所で困っているなら、こちらの方法がベストになります。

・問題点

賃貸マンション等の場合、2階以上にお住まいの方は導入できない事があります。
それは、防音ルーム自体が非常に重い素材等を用いて作られています。
そのため、お部屋に入れても良い加重を超える場合があります。
また、重い素材が床を傷つける可能性があり、オーナーや管理会社からNGと言われる場合があります。
密閉される観点から、防音ルーム内に熱が溜まり非常に暑くなります。
真夏の作業は蒸し風呂のようになります。エアコン備え付けの物もありますが、お部屋の中にエアコン用のダクトを通し、室外機の設置を行わなければエアコンが使えませんのでこのあたりが難しい点ではあります。
音漏れ等の影響を考えた場合、一番手間も時間もかからず設置と演奏を行える状態を作れます。

②簡易防音室、簡易吸音室を設置する

吸音素材で作られたパネルを複数組み合わせてボックス型に組み立てて、音出し可能なお部屋をつくる物です。
あくまですべて吸音素材で作られているので、音の伝わりが無くなるわけではありませんが、箱型になっており、別の空間を作れるため簡易的な防音には最適です。
大人が2人で20分~30分で組み立てる事が出来るので持ち運ぶことも可能になっています。
ブースの重量も30キロ程度と軽くなっている為、使用不可能な場所は少ないです。
やはり簡易的でも空間を仕切るので密閉度が高くなっており、こまめな空気の入れ替えや換気は必須です。
防音性能としては低いと認識して頂くと良いかと思います。あくまで演奏可能な独立空間が吸音材で作れるだけに過ぎないので、多少の防音効果が出る形になります。演奏や音を出す楽器にもよりますが、打楽器や金管楽器にはほぼ効果はないかと思いますので、ボーカルや木管楽器の音量が少し下がるという認識が良いと思います。
周囲の環境音からはある程度、仕切ることが出来るので、外からの雑音やノイズカット効果はありますので、自宅の中である程度音漏れを許容できる場合は良いと思います。

・インフォストオンライン 
商品名:Light ROOM(ライトルーム)
参照サイト(http://infistlightroom.com/)

 

・株式会社 宮地楽器 
商品名:VERY-Q(ベリーク)
参照サイト(https://www.miyajimusic.com/soundproof/very-q/vq_hq.php)

①、②共に設置を行ったお部屋自体の防音性だけを考えると低いと感じるかもしれません。
上記の防音室が完全防音ではない為、同じお部屋の中では音が聞こえてしまう可能性がある為です。

1-3.オススメしない防音方法

自宅のDIY工事はオススメしません。
それはお部屋全てに遮音、防振、吸音の効果を得るようにするために部屋の周囲を防音素材で囲むことが出来ないからです。

①天井の防音

吸音シートをピン止めするくらいしか方法がありません。
遮音シートやボードを自宅天井に釘やねじで絶対落ちないように固定することが出来るでしょうか?
ドリルで天井に穴をあけて固定するのは本当に大変ですし、もし留め方が甘かった場合、楽器練習中や演奏しているときに上から降ってくる可能性もあります。
また電気をどうするか考えなければいけません。しっかりとお部屋を一周囲うとなると照明器具を避ける事やエアコン周りの造作が非常に難しいです。

②クローゼット・押入れの改造

前述した通り、天井に防音素材を固定することが非常に難しくなっております。
そこで、区切れる空間として押入れやクローゼットをオススメしているサイトがいくつか散見されました。
編集部としてはあまりオススメしておりません。図を用いて説明させて頂きます。

赤色の○…NGクローゼット
青色の○…ぎりぎり加工可能クローゼット
オレンジ色の○…加工可能なクローゼット


・クローゼットをオススメしない理由

隣戸と接している場合が多く、音を出した際に壁を通じて音が抜けてしまう可能性が高い為です。
どうしてもクローゼットしか音を出せる場所が無い場合は上記図を参考に音漏れの少ないクローゼットに防音施工を施すようにしてください。

赤色○がつけてあるクローゼットですが、隣室との設置面積が非常に大きいです。
そのため、出した音が伝わりやすく、壁にスピーカーを設置してしまった場合に非常に音が伝わりやすいです。

青色○が付けてあるクローゼットは隣戸と接している面があまり多くありません。
このようなクローゼットはかろうじて防音施工は可能かと思いますが、隣戸にクローゼットは接しているので音漏れの可能性がある事を念頭に使用は可能かと思います。

オレンジ色○がつけてあるクローゼットはクローゼットを防音施工する中では一番オススメの物になります。
自分が居住しているお部屋にしかクローゼットが接しておらず、独立空間として防音施工がしやすい為です。

クローゼットにしても、タンスにしても演奏や収録をするのには狭いですし、空調がありません。
また、服をかけるハンガーパイプや物を仕切る棚なども有るかと思いますので、使用が難しいためオススメ出来ません。
防音工事は行ないやすいですが、そこまで適してはいませんので、どうしても場所が無くて困っている場合以外は、クローゼットや押入れは使用しないほうがいいでしょう。

2.宅録について

ここからは宅録を行う際に気を付けなければならない点をまとめましたのでしっかりと読んでください。

2-1.宅録問題点

宅録を行う際の問題点は大きく分けて2つあります。
演奏の音漏れと、録音時の生活音混入について記載します。
通常の住宅や、賃貸マンション等は演奏が行えるような設計になっておらず、自宅で音を出す場合クレームや演奏禁止規約が定められているところが多いです。
賃貸マンションなどで、演奏禁止されている場合は創意工夫で改善をしようとするのではなく、自宅での演奏を諦めて演奏可能な他の賃貸物件に引越しを行うか、宅録は行なわずにスタジオ収録を行い、自宅ではヘッドフォンでの編集作業のみにすることをオススメします。
賃貸物件で無理矢理演奏をして音のクレームを発生させてしまった場合、退去をさせれられるようなことも考えられますし、周辺住民の方とトラブルになる可能性がありますので気を付けて下さい。

①演奏の音漏れ

防音設備が整っていないお部屋に住まわれている方がほとんどかと思いますので、お部屋で演奏や歌を歌った場合は必ずと言っていいほど音漏れが発生しています。
賃貸マンション等に入居されており、隣のお家からテレビの音やお話し声が聞こえてくるような経験が皆さんあると思います。
話し声すら聞こえてくるのに、ボーカルや声楽の声が聞こえないはずありませんよね。
また、ヘッドフォンなどを接続できない生音の楽器演奏が音漏れしないことはありません。
そのため、防音設備を準備して音漏れを少なくしようとする方、お部屋にボーカルブース等を作成される方がいると思いますが、DIYで行なえる防音は限度も有りますし、後付けの防音室を設置するのには非常に難しいルール(防音室の重量や設置ブースの広さ、エアコンの有無)をクリアしなければいけませんので大変です。
折角DTMを行おうとしても、準備やクレームを心配して思い切って出来ない場合もあります。

②録音時の生活音混入

自分でこだわりのある楽器の音やボーカル等を録音したとしても、演奏中に外部から緊急車両の音や外からの元気な遊び声などが収録マイクの音に入ってしまう可能性があります。
もちろん指向性の高いマイクを使用していると思いますが、完全に防ぐことは出来ないかと思います。
せっかく良い演奏を行えても最後の最後に余計な音が入ってしまったら編集も大変になりますし、余計な音のために再度取り直しを行うのも辛いですよね。
外部からの音については、防音性能を高めない限り対応は難しく、なるべく外が静かになる時間に自宅で収録をされている方も多いかと思います。
ですが、自宅に同居されている方がいる場合、一度でもクレームが来てしまったお家で深夜に音を出すことは難しく、周囲の事が気になってしまい集中して演奏が出来ない方も多いと聞いています。

2-2.宅録の良い点

これまでは、宅録の悪い点や問題点、難しいところを記載しましたので、宅録自体の良い点を記載していきます。
宅録の良い点は音さえ出すことに問題がなければ大きくわけて3つの利点があります。
・好きなだけ時間をかけられる
・同じ機材で癖を把握してセッティングを行える、機材の持ち運びをしなくてよい
・こだわりを突き詰める事が出来る
こちらの3つの点について説明します。

①好きなだけ時間をかけられる

スタジオで録音をする場合には基本的に時間を決めて予約や時間の確保をして準備をすると思われます。
ですが、宅録の場合は録音が気に入らない場合は何度でも何時間でも取り直しや修正を行える点にあります。
演奏する上での体力的な問題や、取り終わった後の再修正なども可能です。
スタジオやホールは限られた時間の中で最高のクオリティを出す事を求められますが、時間に追われないというプレッシャーからの開放は良い演奏へとつながることが多いです。
また、一部だけ良い演奏が出来たが、他の箇所でミスが出てしまったこと等も録音のやり直しが何回でも行えるため、納得がいくところまで時間をいくらでもかけられることが良い点です。

②同じ機材で癖を把握してセッティングを行える、機材の持ち運びをしなくてよい

先程の時間の件でも触れましたが、スタジオ等で録音をする場合は、非常に準備時間がかかります。
1、自宅から機材を持ち出し、現地に移動
2、現地で広げてセッティングや調整
3、本番や演奏の収録と調整
4、現地の片づけを行い撤収
5、自宅に帰宅
非常に時間も手間もかかります。機材の出し入れには時間もかかりますし、広げてセッティングを終わらせた後にすぐに録音が可能になるわけではありません。
その場の音響調整を行い、良い状況で録音するための準備が必要です。
また、演奏が終わった後に片付けも時間を取られるため、常に撤収を考えて収録作業を行わなければいけません。
演奏が終わればその機材を自宅に持ち帰り、それからの編集作業等になるかと思います。

準備⇒移動⇒セッティング⇒演奏⇒片付け⇒移動⇒撤収⇒帰宅

となりますと非常に時間もシビアですし、体力的にも大変になります。
良い場所で演奏することは可能かもしれませんが、機材の出し入れなどに時間がかなり取られてしまいます。
そうすることにより、機材の損耗や破損に繋がる可能性もあります。
宅録の場合はそのような心配がほぼありません。最初にしっかりとセッティングを行えば、余計な準備時間も調整時間も不要です。確保した時間の有余を演奏につぎ込むことが出来ます。
また、普段から同じ機材を同じポジションで使う事により、機材の癖や良い場所や改善した方が良いセッティング等もつかめて、プラスはさらにプラスに、マイナスはプラスに変換していくことが出来ます。

③こだわりを突き詰める事が出来る

宅録の一番大切な点と言っても過言ではない「こだわりを突き詰める事が出来る」という事が、宅録を行う上で一番大切になると思います。
前述しました通り、収録に満足いくまで時間をかけることが出来て、セッティングの癖や使用している機材の特徴をつかむことができる為、最大限の効果を上げる事が出来きます。
良い素材を準備した後の編集作業に一番重きを置く事が出来ます。
ただ切り貼りを繰り返す編集ではなく、そこから音楽としての総合的な「自分の音」を作り出すことが出来るのはDTMの強みになります。
プロのギタリスト兼DTMをお仕事にしている方に直接お話を聞く機会があり、DTMのこだわりを聞いたところ、宅録の際に演奏にこだわるのは当たり前の事で、何回でも収録を出来るのに傷がついた状態で音を残すのは勿体ない。
また、収録してきた音をどう表現するのか考えて、自分の音を出すことがDTMの一番の面白味であり、一番難しく勉強しなければいけない事との事でした。
また、収録をした音を聞く際は必ず「モニタースピーカー」から音を出せる環境を整えて、ヘッドフォンを卒業するべきとの事でした。
ヘッドフォンは開放型にしても密閉型にしても耳周辺での音の広がりしか感じられない為、あくまで耳周辺を覆っているだけの立体感しか感じる事が出来ないです。
モニタースピーカーを使用するとスピーカーからの距離もありますが、面や立体で音を感じる事が出来る為、しっかりとした編集を行いたいと考えている場合は、モニタースピーカーを鳴らせる環境で音を作ることがとても大切との事です。
音を立体で作り、自分が出したい音をこだわっていくことがDTM、宅録で一番必要です。
こだわりを突き詰めて良い演奏を世の中に出すようにしてほしいというお話を聞く事が出来ました。
その為に、演奏の収録とは別にモニタースピーカーがしっかりと鳴らせる環境を整える事がオススメです。

3.DTMについて

ここからはDTMについてと防音対策、音を出す環境を用意する為にはどうすれば良いかを記載します。

3-1.DTM(デスクトップミュージックについて)

PC上音楽作成を行う事を指し、楽器の演奏は出来なくてもマウス操作で作曲を行う事が可能です。
楽器演奏が可能ならば、自分で演奏した音を取り込み、編集をしながら曲作りや演奏した音源を加工すること等も出来ます。
以前は収録機材や編集機材が非常に高価でしたが、現在はプロユースの物から初心者用の物まで発売されており取組みやすくなっている為、誰でも自分の音楽や曲を作ることが可能です。
また、自分で作った曲などを動画投稿サイトにアップしている方も非常に増えています。
宅録防音について記載してきましたが、
①自宅での演奏を行いたい方
②自宅でスピーカーから音を出して編集を行いたい方
宅録と言っても大きく分けて2つになります。
今回の記事はメインで①の演奏を行いたい方の防音対策を記載しましたが、DTMをされている方はスピーカー設置した上での防音を希望されている方も多いと思いますので、こちらに関して記載します。

3-2.モニタースピーカー

モニタースピーカーとは音楽編集用のスピーカーになります。音の編集を行う際は、必ずこちらのモニタースピーカーを使用する必要があります。
理由としては、モニタースピーカーはナチュラルに音が出すことが可能なスピーカーになっており、音の編集には絶対に欠かせないからです。
通常のオーディオスピーカーを使用して編集をした際に、どこかにブーストがかかっている為、正確なバランスが取れない状態での編集になります。
ナチュラルな状態での音作りをするためにモニタースピーカーは必須になります。

○ヘッドフォンとの違い

モニタースピーカーは音量が大きくなってしまい、部屋では使いにくいと感じる方も多いと思います。
音を調整する上でヘッドフォンでは音の広がりや左右のバランスの調整が非常に難しいです。音が聞こえる場所が耳周辺になってしまうものと、スピーカーから面で音が飛んでくる場合とで全くバランス等が変わって聞こえますよね。
そのため、細かいチェックなどはヘッドフォン(音割れやミス、ノイズチェック)に使用して、全体の調整にはスピーカーを使用してください。

3-3.モニタースピーカー設置方法

モニタースピーカーにはしっかりとした設置方法があります。
部屋の間取りや、現在置いてある物を中心に考えるのではなく、スピーカーを中心に考えて、一番良い音がするポジションでセッティングを行ってから他の家具の設置をするようにしてください。

①設置位置

モニタースピーカーは音を聞く位置から正三角形になるようにセットをすることが一番良いと言われております。
また、スピーカーの高さは耳に高さに合わせるように調節するのが良いと言われています。
・DEGIRECO
参照サイト(https://digireco.com/monitorspeaker_setting2018/
上図のようにモニタースピーカーを設置してから他の機材や家具等を設置するようにしてください。
良い音をバランスよく聞く為に準備したのにもかかわらず、設置方法を間違えてしまえばバランスが崩れてしまうので注意が必要です。

②設置方法インシュレーターandスピーカースタンド

モニタースピーカーをそのまま机の上に設置するのはNGになります。
それはスピーカー自体が空気を振動させて音を出している為、直接机の上に設置してしまうと音を出した振動が机や床に吸収されてしまい、音自体がぼけてしまう為です。
良い環境で音をミックスする為には直置きではなく、耳とおなじ高さに設置したスピーカースタンドの上にインシュレーターを設置して、スピーカーが一番良い音が出る状態にしてください。

・DEGIRECO
参照サイト(https://digireco.com/monitorspeaker_setting2018/
あわせてスピーカーの設置については壁に密着させることもNGになります(密着すると振動が吸収されてしまう為)
そのために専用のスピーカースタンドやインシュレーターを使用して、一番良い音が出る状態にスピーカー設置して音の確認を出来るようにしてください。

3-4.DTMに適したお部屋とは

DTMを収録編集する為には防音がしっかりと施された専用のお部屋で行う事がベストです。
理由としては、先程説明した通り、音源のミックス等を行う場合にモニタースピーカーを設置して音を出し、確認を行う必要があります。
その為、モニタースピーカーでしっかりと音を出しても苦情が無いようにしなければいけませんし、音の確認を行うのに音量を上げられないと取りこぼしや、ミスをする可能性もあります。
スピーカーを鳴らしても問題ないお部屋となりますといくつか大事な要素があります。
①スピーカーを良い位置に設置出来る広さ
②しっかりとした防音性能
③音響調整されたお部屋と配置
上記の3つが非常に大切になります。
3-3.で説明したように、スピーカーを設置する場合は聞く位置と正三角形になるように設置する必要がありますので、ある程度の広さが必要になります。クローゼット等を利用するのは無理があります。
また、一番小さい設置可能な防音室等も壁面距離が近くなりすぎてしまうので非常に難しいです。
しっかりとした防音性能が求められるのは、スピーカーを鳴らした際に他のお部屋や住居からクレームが来てしまう恐れがあるからです。
音響調整されたお部屋というのは非常に難しい問題にはなりますが、スピーカーの設置位置やお部屋の広さによって音の反響の仕方が変わってきます。
そのため、響きの調整がお部屋ごとに行う事が良いとされていますが、素人がやれるものではありません。音響調整業者に依頼をして調音を行う事がベストです。
お部屋のサイズや広さによって響きすぎてしまう音域や音色等が発生する可能性があります。
この音響調整をしたお部屋での作業は、非常に曲作りや音作りがしやすいとプロの方は言っておりました。
ですが、ここまで行うには非常に高額な費用等が発生しますので、どのレベルの物を自分で作るのかしっかりと考えた上で準備を行う必要があります。
一番大切なことは、音を出しても問題ない場所で作業できるかにかかっていると思います。
いくら環境や配置を整えても、音量を出した際にクレームが周囲から発生してしまえば他に移動しなければいけない可能性も高くなります。
スピーカーの音を問題なく出せる場所を探して作業を行えるように整えるようにしましょう。

4.まとめ

宅録の防音は専門の防音対策がされたお部屋を取り入れる事が一番のオススメです。
演奏や収録しているときの音を、自宅で防ぐのには限界があります。
またDIY等で追加の加工を行うと、購入した自宅なら問題ありませんが、賃貸住宅などは原状回復義務がありますので、原状回復に材料費や施工費よりも多くかかってしまう可能性もあります。
また、お部屋の周囲全てを防音施工することは非常に難しく、考えていた性能よりも低くなる可能性や、お部屋の内観を損なう可能性が非常に高くなります。
自宅で演奏や音取りが難しい場合はスタジオを借りるか、公共施設を使用することをオススメします。
楽器演奏が不可能な場所で演奏等を行っていて、借りている住宅を追い出されてしまうような事があれば、そちらの費用が高くなってしまいます。
最初から演奏を行っても問題ない場所等を使用することにより継続費用を下げる事も可能です。
防音室を購入してしまう事も一つの手段ですし、設置型の物を導入してしまう事も可能です。
防音賃貸マンションに住んで24時間演奏可能な状態にして、演奏も編集も好きな時間にこだわりを持って時間をかけておこなう方法もあります。
かけられる予算の中で周囲に迷惑をかけない範囲でしっかりと音楽に向かう事が大切です。
時間、お金、手間を天秤にかけながら自分に出来る音楽活動を精一杯取り組みましょう。